日本と海外、映像の“感性”はこんなに違う。知らないと伝わらない表現の壁

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日本 海外 映像 違い」――このフレーズで検索してこの記事にたどり着いた方は、
おそらく「海外向けに動画を作りたいけれど、日本と海外で映像表現って何が違うんだろう?」
そんな疑問をお持ちではないでしょうか。

実はこの「日本と海外の映像の違い」を理解せずに動画を作ると、
「せっかく作ったのに、海外ではうまく伝わらない」
という結果を招いてしまうことがあります。

私は21年間アメリカで映像制作に携わり、日米の「感性の違い」を肌で感じてきました。
この記事では、日本と海外の映像表現の違いについて、具体的なポイントをお伝えします。

1. 日本と海外では「色」の意味が違う

「日本 海外 映像 違い」と検索する方にまず知ってほしいのが、色の捉え方の違いです。

日本では「黒」は“無”や“無限”を象徴する色。
一方、欧米では「黒」は“引き算の美学”として、光を際立たせる背景色として使われます。

たとえば同じブランド動画でも、背景を黒にする意味や効果が異なるため、
「日本では重厚に見える映像が、海外では“暗すぎる”と受け取られる」
といったことが起きるのです。

日本における黒の映像表現の例欧米における黒の映像表現の例試しにmidjournyで日本と西洋の黒をそれぞれ意識して生成した画像。
上の日本的な画像は”無”を演出するような黒の背景になっていて、下はおじさんのライティングを強調するような黒の背景になっている。

2. ストーリー構成の違い

日本と欧米の映像におけるストーリー構造の違いを示す図

映像の構成も、日米では大きく異なります。

日本では「前提 → 展開 → 結論」という流れが好まれます。
しかし欧米では「結論 → 証明のストーリー」が一般的。

つまり、**日本の映像は“徐々に盛り上げていく”**のに対し、
**海外の映像は“最初に結論を見せて興味を引き、その理由を語る”**という順序です。

この違いを意識しないと、海外向けの動画が「退屈」「メッセージが弱い」と感じられてしまうリスクがあります。

3. 「エコロジー」の表現の違い

たとえば「エコロジー」をテーマに動画を作るとき。
欧米では「人の手を加えない自然の姿」を美徳とし、
日本では「自然と人の共存・調和」を理想とします。

同じ「エコ」でも、「美しい」とされるシーンが異なるのです。

このような文化による“感性の違い”を理解していないと、
「海外の視聴者にはピンとこない映像」になってしまいます。

日本人の考えるエコロジーを体現した、MS&ADの熊本ウォーターポジティブアクション。
都市開発と環境持続の両面を産官学連携で考えていく素晴らしいプロジェクトです。

4. 広報動画で“伝わらない”原因は「感性の翻訳」の欠如

日本企業が海外向け動画を作るとき、
多くの場合「日本語で考えた構成」「日本語で作った映像」に、最後に英語の字幕やナレーションをつける方法を取ります。

しかし、「言語の翻訳」だけでは十分ではないのです。

本当に必要なのは、
「日本的な映像表現そのものを、海外の感性に届く表現に翻訳する」こと。

私はアメリカでの21年間の制作経験を通じて、この「感性の翻訳」の重要性を何度も実感してきました。

言語を超えた部分にこそ、“伝わる・伝わらない”の分かれ道があるのです。

【まとめ】

「日本 海外 映像 違い」を理解せずに動画を作ると、
**「伝えたつもりでも、伝わらない」**という壁に直面します。

海外向け動画には、文化や感性の違いに合わせた“表現の翻訳”が必要です。
単なる言語の置き換えではなく、
**「この色は?」「この構成は?」「このストーリーは?」**と一つずつ、
相手の感性に届く形に編集し直す作業。

それが、「伝える」から「届く」への第一歩です。

海外広報を担当する皆さんの参考になれば幸いです。

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