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Toggle英語習得に立ちはだかる、日本語との大きな違い
日本語は、世界で最も英語から遠い言語のひとつだと言われています。
単語、文法、敬語、そして考え方までもが英語とはまるで違う。
私は38歳でアメリカに渡り、広告の仕事を続けながら、今年でアメリカ生活も21年目になります。
日々英語を使う環境で暮らしながら、いまだに「ネイティブ並み」とは言えません。
それでも、ビジネスの現場では何とかやり取りができるようになりました。
そして今、改めて強く感じるのは、
「日本語って、本当に英語と違うんだな」という事実です。
なぜ日本人にとって英語習得は難しいのか?
言語学の世界では、日本語は「孤立した言語(language isolate)」と呼ばれています。
英語やフランス語、スペイン語のように語族でつながる言語と違い、
日本語はどの言語ともルーツを共有していない“ひとりぼっち”の存在です。
日本は長い間、島国であり続けました。
大陸と切り離された歴史の中で、独自の文化とともに、言語も独自に発展したのです。
日本語と英語の間には、
- 数え方(助数詞)
- 主語の省略
- 敬語文化
など、根本的な違いが横たわっています。
特に「敬語」は日本独特のもので、
尊敬語、謙譲語、丁寧語を状況によって使い分けなければならない繊細な言語体系です。
こうした文化背景まで異なる二つの言語を、ただ単語を暗記するだけで橋渡しできるわけがありません。
近道はない。英語習得には地道な努力が必要だった
私はこれまで、数え切れないほどの英語教材を買い、英会話スクールにも通いました。
しかし、正直なところ、目に見える成果はなかなか得られませんでした。
どれだけ効率的な方法を探しても、
日本語と英語のあまりの違いを前にすると、
「地道に向き合うしかない」という現実に突き当たったのです。
苦しい中で唯一効果があった英語習得法:「ものまね」
そんな中で、唯一「これは効果がある」と実感できたのが、
ニュースラジオの“ものまね”でした。
ロサンゼルスで働いていた頃、私は毎日片道40分車で通勤していました。
その時間を使い、NPRやBloombergなどの英語ニュースを流し、
アナウンサーの話し方をひたすら真似しました。
最初は何も聞き取れませんでした。
意味は分からなくても、とにかく音ごとコピーすることを意識しました。
毎日続けるうちに、
「単語単位」でなく、「フレーズ単位」で英語を捉えられるようになっていきました。
少しずつ、英語の「リズム」と「息づかい」が体に染み込んでいったのです。
7年かかったけれど、38歳からでも英語は習得できる
この“ものまねトレーニング”を私は7年間続けました。
38歳から始めて、45歳になるまで。
決して早いペースではありません。
しかし、英語に日常的に接し、地道に「音をまねる」練習を積み重ねたことで、
仕事でもプライベートでも、ある程度通じる英語を話せるようになりました。
今も私の英語は完璧とは言えません。
それでも、言葉を通じて異なる文化の人々とつながれる喜びを感じています。
そして改めて思うのは、
「語学に近道はない」ということです。
一見、便利そうに見えるアプリや教材があったとしても、
結局は、自分の耳と口を使って、コツコツ積み上げるしかないのだと私は信じています。
言葉は、世界を越えるための“橋”
最近、私はスペイン語にも挑戦し始めました。
またゼロからのスタートですが、焦らず、楽しみながら続けています。
言葉を学ぶことは、単なるスキルの習得ではありません。
それは、「その言葉を話す人々の世界観」を知ること。
文化を越え、人と人とが理解し合うために、言葉という橋をかける作業なのだと思います。
日本語のように英語から最も遠い言語を母語とする私たちだからこそ、
世界と向き合う中で得られる学びは、きっと深く、豊かなものになるはずです。
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